| 都市景観の アナロジー |
| いままでは、中国縦貫道沿いのゴルフ場開発がさかんなところという記憶があるぐらいであったが、福知山線が便利になったのと並行して、三田市あたりまでの住宅地が急速に拡大しているらしい。 神戸市といっても裏六甲にあたるこの藤原台の家の敷地のうらは、ちょうどゴルフ場である。郊外住宅地もこんなふうに、いままでのリゾートの立地にまで拡がったいるらしい。 敷地が100坪あまりあるので、けっこうゆったりした庭がとれるし、こういった郊外住宅ではやはり、周辺の緑も含めて自然がたっぷりということである。しかし、ある意味で住宅は、私たちの都市生活の表現の場となるので、この自然のなかへ、いかに都市を成立させるのかといったことが、自然とは別のテーマとして必要になる。 今回は、ここに八つの屋根をもちながら、これもある意味で最も都市の色であるブルーの箱をこの屋根の下に集合させるといった、景観の都市をアナロジーとして考えた。それは住宅の各ボックスが、それぞれの意志をもち、寄りそったかたちというべきだが、集合のあり方によって、そのすきま、連結のあいだに、おもしろい空間が生れてきたようにおもう。たとえば、集合のスリットである玄関から、庭のデッキに至るスペースなどである。 この家の空間が実際より濃密に生かされているのは、この家の奥方のコレクションになる骨董品や調度品、装飾品のせいでもある。これらの品々のよさを壊さず、なお住宅空間の特徴のなかに生かしてくれた足立氏、素晴らしい庭の演出をしていただいた大隈驍子さんによってもまた、建築空間がより生かされている。 |
| 八つの屋根のブルーボックス 神戸市 専用住宅 木造 2階建て 敷地面積 350.47u 建築面積 106.54u 延床面積 173.89u |
| 新住宅(8911)/新住宅 住宅作家・住宅作品特集(9201)/住宅特集(8906) 掲載 |